Photo by ぱくたそ + ELLY COLLECTION
ベルばら方面の変なスイッチが入っている勢いで、寝かせっぱなしだった『ベルサイユのばら』テレビアニメ版LD-BOXを引っ張り出し、少し前に全編観賞終了しましたので大ざっぱにまとめ。
もし原作知らなかったら……今ならマリーさんvsデュ・バリー夫人の戦いが続くあたりで試聴打ち切ってるような気がします(^^;A で、後半が異様だったと人づてに聞いて再放送で見直すとか、そんな感じでした。
やはり原作を知っていて、原作漫画が好きだと辛いところは山ほどあります。一話の「女のお守りなんてしたくない」発言のオスカルから度肝抜かれたりして (^^;、違和感のほぼ全てがオスカルの描かれ方の違いに集約されそうです。アニメのメインビジュアル「茨にからまれて身動きできないオスカル」そのままに、時代にのまれて消えていってしまった彼女。原作オスカルなら、からみつく茨を斬り飛ばしながら駆け抜けていってくれたことでしょう。(LD- BOXの『Lady Oscar MEMORIAL BOX』という例の実写映画風タイトルが意味深?)
前半は原作を踏まえつつトンデモなエピソードが追加されていたり、後半は民衆側の集団劇になって“ベルサイユの紅薔薇”様ことマリーさんがほとんど出なかったり(フェルゼンなんて「まだ居たの?」状態(^^;)と両極端に揺れてました。一時期にどちらかに振りきるんではなく、もうすこしバランス良く、貴族と平民の違い(搾取する者とされる者という違いだけではなく)や各キャラの関係、各エピソードの流れなど、原作のすき間を埋めるように緻密に再構成されたものを観たかった気がします。アニメ制作時には原作連載はとっくに終了していた訳ですから、不可能ではなかったと。原作の方は、読者には受けそうでもストーリー上重要でなくクドくなりそうな場面はありませんし(アンドレが死んだ夜のオスカルの行動描写が無い他)、重要な場面がギャグ風にさらっと描かれていたりしますんで。
全体としては……一部BGMのへっぽこ具合が印象に残って困ります(汗) なんでしょうあれは。
後半はまぁ面白かったです。市民感情を手っ取り早く伝えるためのキャラ配置だと思われる、原作とは真逆の兄貴なアランがお買い得です☆(革命勃発時点でオスカル33才、アンドレ34才なのでそれより上ということになりますが。アンドレに「若いの」と呼びかけるくらいなので40後半かも。嫁入り前の乙女だった妹はいったいいくつの設定だったんでしょうか。)
前半の迷走っぷりに割かれた時間が本当にもったいない。本放送時は巨人戦野球中継で10週程度はつぶれまくって、余計に時間は削られていた訳ですがっ。スタッフ入れ替えとか時間無いとか、作品にとってそれなりの不幸があったにもかかわらず、とりあえずまとめあげた後半の出崎監督に敬礼。
自分の好みに走って、別のスタッフで新しいの作ってくれないかなーとか思ったりします。『ウルフズレイン』のスタッフなら作風も合いそうなので、監督:岡本天斎さん、キャラクターデザイン:川元利浩さんのボンズ制作で。脚本は金春智子さんや太田愛さん、音楽は服部隆之さんとかどうですか。ただの一視聴者の願望ですけどね(笑)
別ページに観賞メモをまとめました。→『ベルサイユのばら』の棚/テレビアニメ観賞メモ
※原作コミックの描写とその個人的解釈を判断基準としている部分がほとんどですので、アニメベルばらが好きだ!という方は不快感を感じられるかも知れません。ご注意下さい。
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